今日は13歳のときに北朝鮮に拉致された横田めぐみさんが45歳の誕生日を迎えた日になります。 横田めぐみさんのご存命と一刻も早く拉致問題解決を願います。
本日ご紹介の患者さんは他院の先生からの紹介状を持参されてご予約をとり頬骨再構築法およびミニリフトをお受けになられた患者さんです。
上段:術前です。
下段:術後約3か月再診時です。
術後1週間の時点で前医でおいれになられたスレッドリフトのひきつれによると思われる凹みが一か所生じ患者さんと紹介状を書いて下さった先生に御迷惑をおかけしましたが自己マッサージにより解消したとのことでした。
御感想は「まあ満足(4/5)」とのことでした。
気になる点は
1.頬骨の左右差(まだ右側が大きい気がする)
2.リフトによる左耳の皮膚の余り とのことでした。
1.に対して・・・術前より右頬骨が張っておられ、患者さんからも右頬がでっぱりが強いので考慮して削ってほしいと言われてましたので私なりに一生懸命処理しましたがまだ気になるとのことでした。 頬骨削りにおいて元々左右差がある場合、完全に左右均等に仕上げること困難です。 今回もし修正目的にて頬骨削りを行っても最大限の努力はしますが完全に左右均等にする保証はできません。
2.に関しては以下の写真で御説明します。
左:術後3か月の左耳拡大写真です。 右:色入れをしてわかりやすくしました
(写真にポインタをあわせクリックすると拡大するのでより鮮明に確認できます)
赤線部・・ミニリフト切開線です。
患者さんが気になる部分は緑色線で囲った部分における皮膚の余剰部です。
スマス(SMAS:Superficial Muscular Aponeurotic System:顔の皮下の結合組織ネットワーク)処理とリガメント(靭帯)処理を行っていますので、皮膚が余ります。 切開部においては余った皮膚を切り取りますが、皮下の青矢印方向のベクトルに力が加わって生じた耳前部の余剰皮膚は切開線をいれていない部分なので切り取れないため術後しばらくして皮膚が馴染むまで残ります。
キズを最小限する目的でミニリフトで耳珠(じじゅ)の上部までしか切開しなかったのでこの余剰皮膚を切り取るとしたら耳垂前方までキズが入ってしまします。 皮膚は術後半年間で馴染んでいきますので手術の完成時期術後半年まで様子をみていただけたら幸いです。
術者によってフェイスリフトの手術方法も異なります。 表皮に緊張をピーンとかけて縫合を行うと術後一週間や一か月は皮がピンと張って一見仕上がりもよいですが、術後しばらくしてキズが伸びて頭の中にハゲができたり、耳前の傷が広がって太くなったり、耳たぶが伸びて(いわゆるリフト耳)くる場合があります。
頭の中にハゲを残さない、耳前の傷をキレイにする、耳タブを引き伸ばさないためにはスマス(SMAS)や靭帯の処理で引き上げ、皮膚は多少余りが残ってるぐらいで縫合するのがこの手術のキズ痕をほとんどわからなくするコツです。
ほんとうのフェイスリフトの仕上がりは半年後に評価しないとわかりません。
一週間後の見栄えがよくてもその後に戻りのみならずハゲやキズや耳タブの変形で悩むようになってしまっては元も子もありません。
フェイスリフトの症例写真は 「いったい術後どれくらいなのか?」 「キズは実際どうなのか?」 「うまくいっている写真だけが提示されていないか?」等を常に意識してみないと後で「こんなはずじゃなかった」と思うことになるかもしれません。
本日ご紹介の患者さんは手術自体は受けて良かったと喜んでくださっているのが幸いです。
輪郭やフェイスリフトの手術の完成は約半年かかります。 術後半年経ても気になる点がありましたら調整していきましょう。
先日お心遣いをいただきました。
深謝します。 どうか御気を遣わないでください。
2009-10-05