陰核包皮縮小形成術、陰核縮小術

本日ご紹介の患者さんは他院にて小陰唇縮小手術、陰核包皮縮小手術をお受けになられた既往があります。

術後より陰核(クリトリス)が目立つようになったとのことで御相談を受けました。

 診察したところ手術をお受けになられたにも関わらず陰核包皮の余剰感が強く修正術の方をお勧めしましたが陰核縮小手術(クリトリス縮小手術)を御希望され当院にて同手術をお受けになられました(2009.04.10blog掲載http://shirabeau.blogdehp.ne.jp/article/13427057.html)。

 その後陰核横の部分が肉厚な感じがやはり気になる、もっと陰核を小さくしたいとのことで再手術(陰核包皮縮小形成術、陰核縮小術)をお受けになられました。 

 左:術前です。                                 右:再手術術後3か月再診時です。6032.jpg

陰核包皮周辺もすっきりし、陰核もより小さくなりました。

これは医原性陰核が目立つ状態になったことが強く疑われます。

本来のこの方の術前の外性器は恐らく陰核周囲のsulcus praeputiolabialis部分の余剰粘膜皺襞が元々厚ぼったい状態であったのに、そこに手をつけず薄く出血も少なく手術操作しやすい陰核包皮のみを切り取ったために通常ではありえない形態となり、恐らく患者さんが気にされていた陰核包皮周囲の厚ぼったさは全く改善されずに陰核だけ露出するという術前の写真のような状態になったのだと思われます。

よって本来ならば気にならない陰核が気になるようになってしまい本手術をお受けになるに至ったと考えます。

 

sulcus praeputiolabialis部分の余剰粘膜皺襞(適切な日本語名がないので私は患者に説明する際は「外々側ヒダ」と呼んでいます)は切除すると出血も多く解剖学的に様々な形態があり術者としてはあまり手をつけたくない部位になります。 形式的に出血の少ない部位の陰核包皮のみ切除すれば客観的には「患者の希望した手術をした」となりますが本来の患者さんの希望をかなえたことにはなりません。 それどころか新たな悩みを生じさせてしまうことになります。

 sulcus praeputiolabialis部分の余剰粘膜皺襞(解剖学的にはanomalyです)は普通の医学書や解剖学の本には載っていません。 婦人科手術は上手くやろうとも雑にやろうとも評価されない分野の手術ですからあまりきちんと解剖のanomalyまで頭に叩き込んで手術する先生が少ないかもしれません。

残念ながらこの部分の取り残しの修正手術や縫合糸の食い込み痕で芋虫のような形態にされてきて修正をご希望される方々が非常に多いです。
患者さんは「手術したけど何かがおかしい?」と悩んで私のところにこられます。

 解剖をよく理解し埋没法で用いるような極細の糸を用いて丁寧に手術を行えばこれらの異常形態は避けることができます。

もし美容外科医でこのブログを読まれている方がいらしたらそこの部分の整形処置をきちんとしてあげて頂きたく思います。 

評価されない仕事でも手を絶対抜かないのが外科医として大切だと思います。