今日は1946年 に極東国際軍事裁判(東京裁判)が開廷された日になります。 
 
本日ご紹介する患者さんは一年前に他院にて鼻プロテーゼ留置術と鼻尖縮小術をお受けになられた既往のある患者さんです。 鼻尖縮小手術に関してはほとんど変化がみられなかったとのことで今回修正手術をご希望されました。
 
上段:術前です。
下段:術後1.5ヶ月再診時です。(写真は患者さんの快諾を得て供覧しています。)


全体的によりすっきりした印象となられ順調な経過です。



最近思うこと

去年の今頃もこのブログに記載しましたがいつも悩むのが医師側と患者さん側との意識の差です。
私としてはキズの残る可能性や感染の可能性をお話しそれらのリスクを御納得いただいて万が一不具合が生じた場合はいわば全力で患者さんと共闘するつもりで手術に望むのですが中には医師を魔法使いのように考えリスクなしでなんでもできるとお考えなのか、やめたほうがいいと強くアドバイスしても楽観的にお考えになられるのか、お薦めできない手術を「やって欲しい」と懇願してご依頼され結果として希望されない状態になったときに医師を責め立てる方がいらっしゃいます。

最近「ここまでリスクを話してご納得いただいてそれでもご依頼されるのであれば患者さんのためにメスを握ろう」という気持ちから「いくらリスクを話しても実感としてわかっていらっしゃらない患者さんの思いを尊重するのは実は患者さんのためになっていない。患者さんにとって将来不利益になりえる確率が高ければ心を鬼して患者さんのために断固として断るべきである。」というふうに考えが変わってきました。 「そんなの医者の悪しきパターナリズム【paternalism】(父親的干渉)じゃないか」といわれればそうなのかも知れませんがやはり万が一の事態になったときに術前のご説明と同意は無かったのごとく振舞われると私の落ち込みも激しいものがあります。
手術の最終仕上がりまでは最低でも半年はかかります。いくら文明が進歩しても人間のもつ自然治癒のスピードはそうは変わりません。

約400年以上前に外科学を革新した名医であるフランスの外科医アンブロワーズ・パレが言った「我包帯す、神、癒し賜う」は名言であり核心をついていると思います。

キズが癒え、治癒していくのは患者さんの治癒力によるのであり医師はその治癒の妨げにならないようにしなくてはなりません。

人の造作を人為的に創りかえるという行為は自然の摂理に反しているのかも知れません。 だからこそ細心の注意を払い自然の摂理になるべく沿うように医療行為を行っていかなければならないと思います。

医療行為というのは万が一の合併症が起こりえるものでありお互いの信頼関係なきところには成り立たないと思います。

美容医療は緊急性がない医療です。 一点でも不安があればそれを受けずに本当に今の自分にとって必要か否かよく自問自答されることが重要だと思います。

2008-05-02

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