今日は鼻プロテーゼが感染した患者さんのご紹介です。
7月7日のブログにてご紹介させていただいた患者さんで術後約4.5ヶ月を過ぎた先日、数日まえから鼻に痛みと発赤がでてきたということで御来院されました。 診察を行うと鼻背中間位あたりに軽度の発赤を認めやや圧痛を訴えますが膿の貯留を疑わせるプロテーゼの浮動感はありませんでした。
しかし主訴からは感染が疑われたため同日緊急抜去術を行いました。
上段:術前です。
下段:プロテーゼ抜去1週間後再診時です。(写真は患者さんの快諾を得て供覧しています。)
プロテーゼの細菌培養検査を行ったところがE.coli(大腸菌)が検出されました。 股関節の人工骨頭に術後数年を経て感染を来たした症例でE.coli(大腸菌)の感染を経験したことがありましたが鼻のプロテーゼではE.coliは初めてでした。通常感染は皮膚表在菌が原因であることが多いです。 術後4ヶ月以上を経ての感染症状なので術中感染よりも腸管からのtranslocationを疑いますが実際の感染機序の詳細はわかりません。
残念です。 不幸中の幸いなのは患者さんが鼻根部の高さを気にしておりもともと抜去を希望されていたことでした。 抜去一週間後の再診時には目の手術のご相談をされやる気まんまんでしたが私のほうが気分的に落ち込み乗り気になれませんでした。 失礼しました。
先日お心遣いをいただきました。
深謝いたします。 どうか気を遣わないでください。
2007-08-16