今日はフェイスリフトのご紹介です。
フェイスリフトの手術は手術手技が多様であり術者の数だけ手術法があるとも言われる手術ですが基本は顔面の皮膚のたるみを改善する手術ということになります。
ポイントは皮を切って引き上げるだけではなくSMAS(superficial muscle-aponeurotic system)(略してスマスと呼ばれます)という顔面真皮の下にある筋繊維のネットワークをしっかり引き上げる、または骨膜下を剥離し引き上げて持続的な手術効果を維持することにあります。
今回ご紹介の患者さんは側頭部から耳前部、耳後部、後頭部までの切開を行い主に頬部から頚部にかけてのSMAS(スマス)フェイスリフト手術をお受けになられました。
上段:術前です。
下段:術後2.5ヶ月再診時です。(写真は患者さんの快諾を得て供覧しています)
頬のたるみ等改善され耳前の傷もほとんど目立たずj経過は良好です。ただし約20年前に他院で注入された液体シリコンが各所でしこりを形成をしており美しい顎下ライン等の最終完成はこれらのしこりを除去した後になります。
余談になりますが半永久的に残る液体注入物は何十年も経てから異常な硬結や腫脹をきたしてくることがあります。 美容外科の歴史としてかつてオルガノーゲンやシリコンジェル、ココナツオイル、ワセリン、パラフィン様物質などが注入され時間の経過とともに悲惨な状態になられた患者さんが多々いたことが忘れ去られてはいけません。
個人的にはいずれ分解される注入物(例えばヒアルロン酸やコラーゲン)以外は軟部組織に注入すべきではないと考えます。異物反応や感染が生じた場合、同じ異物でもシリコンプロテーゼは簡単に抜去できますが軟部組織に浸潤した液体注入物を完全に取り去ることは非常な困難を伴います。
よってアクアミドに代表されるような製品を私は使いません。
さて今日は差し入れをいただきました。
クッキーでした。 お心遣いに深謝いたします。
2007-03-02