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医聖ヒポクラテスの有名な言葉に“Ars long, vita brevis"というものがあります。
これはラテン語で
“Ars longa, vita brevis , occasio praeceps, experimentum periculosum, iudicium difficile"という文章の省略形であり、
英語では
“Life is short, art of medicine is long, the crisis is fleeting, experience is perilous and decision is difficult "と解説されることもあります。
日本語に訳すと「人生は短く、術の道のりは長い。機会は逸し易く、試みは失敗すること多く、判断は難しい。」という意味になるでしょう。 日本で類似のおなじみの諺として「少年老い易く学なり難し」 「光陰矢のごとし」があります。

すなわちヒポクラテスの意図するところは「医術の習得は困難で時間がかかるから時を惜しんでその習得に励みなさい」ということになると思います。 この「医術」というのは単なる「術」ではなく医療における総合的アートを指し単なる手技的側面をいうものではありません。

私はこの含蓄あるヒポクラテスの言葉が好きです。



規制に対する最近のショックなことを今日は書きたいと思います。

2ヶ月前の事です。

私は日本の忙しい小児臨床の中で新しい疾患を発見し学会での逆風にもめげずその存在を立証し、研究を続けている川崎病の発見者:川崎富作先生を素晴らしいと思っています。

そんな川崎先生の研究に対して、私が従事しているクリニックの一周年記念に皆様のおかげで生じた余剰金分の寄付をしたいと思い検討したところ調査担当した税理士より免税にならず贈与税かかかると忠告をうけました。

税金がかからない寄付は国が定めた日本赤十字社等の組織にしか認められないそうです。

世界に冠たる川崎先生のいまだ原因がわからない川崎病への研究心には頭が下がります。
その研究センターへの寄付に贈与税を課すとは日本の課税システムはさびしいと思います。

現在は贈与税の面がクリアできなければその資金は自分が診させていただいている患者様へのよりよい診療のために充てさせていただこうと考えています。

そして今日のショックです。

昨日、今日と鼻尖手術をした患者様方に術中の写真をブログにUPする約束をしました。
そして先ほどブログにアクセスしたらなんと今までの手術中の写真はexcite側より非公開処分にされていました。

どうして術中写真をブログに載せたのか・・

昔、私が十代の頃知り合いのある女性が言いました。
「私は月に一度ほど家族で田舎に行ったとき自分で鶏の首をひねって皮を剥いて料理するのよ。」
そんなことをしたことがなかった自分は仰天するばかりでした。 彼女は言葉を続けます。
「残酷に聞こえるでしょ? そう。 食べるために命を奪うのは残酷で辛いこと。 私たちが鶏や牛の肉をスーパーで買って食べるときは綺麗にパックされているから忘れてしまうけどその陰には命を奪われる生命とその命を奪わなければならない人の辛さがあってその両者の辛さを私たちは普段忘れているだけ。 自分が時々そうやって料理するのは忘れがちな日常にすべての物に対する感謝の気持ちを失いたくないから。」
食材がスーパーに並ぶまでのことを普段考えたこともなかった自分には衝撃的な視野でした。

それから15年以上の月日が流れたある日、美容外科道の師匠の先生がおっしゃいました。
「先生、なぜ食事の前に日本人は『いただきます』っていうか知っているかい?」
食事を作ってくれた人に対する感謝の気持ちを表すものだと思っていた自分はそう答えると先生は
「違うよ。 『あなたの命をいただきます』という食材の生命に対する感謝の念だよ。 作ってくれた人には食後に『ご馳走様でした』と感謝の念を表すんだよ」とおっしゃいました。

その時 15年以上前のあの彼女の言葉を思い出したのです。

過程を知ることで見えてこなかったものが見えてくることを彼女から教わりました。
そこで私は自分の仕事に対してブログを始めることにしました。単なるbefore afterだけではなく 人体の神秘さとそれにメスをいれた場合の過程を伝えるために。 

私たちは結果のみを追い求めがちです。 しかしそこに至る過程を知ることによって多くのことを学ぶのも事実です。

私がブログに手術写真を載せたのはグロテスクなものが好きな人たちを鼓舞させるためではありません。
自分が受けるもしくは受けた手術に対する知的欲求に対する応えと手術というものの実際を知って頂きたいからです。 多くの人は実際の映像をみて「こんなことをするんだ・・ 痛そうだし大変そうだし 手術受けるのや〜めた」と思うかも知れません。 私はそれでいいと思います。 私の好きな言葉に「身体髪膚(しんたいはっぷ)これを父母に受く、敢えて毀傷(きしょう)せざるは孝の始めなり」というものがあります。基本的には機能障害が生じていない限り人体にメスをいれることは本来は好ましいことではありません。しかし美容外科的処置によって外観の造りを多少変えるだけで劇的に精神的コンプレックスから解放され、自信と喜びに満ち溢れた人生を歩むことができることがあるのも事実であり、手術の適応はそのようなコンプレックスが現在の障害事象になっている場合でありなおかつ手術の現実を知ってその上で手術を選択される気持ちをもっている方に対してあるのだと思います。

残念なことに手術写真は削除されてしまいました。

exciteブログに「表現の自由の干犯だ!」 「焚書坑儒だ!」と反論する気はありません。
なぜならばexciteブログは公の場所でありそのようなものを見たくない人たちの権利も守られるべき場所だからです。  私はそれを見落としていました。 気分を不快にされた方々がいたら誠に申し訳ありませんでした。

ただやはり書いたものがいきなり抹殺されていたのはショックでした。
そして最後に術中写真を載せるとお約束した患者様へ  以上の理由によりばexciteブログでは手術写真は載せません。 お約束が果たせず申し訳ありませんでした。

2006-09-20

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