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今日は処女膜について書きます。

かつてベストセラーになった西丸 興一先生の「法医学教室の午後」(朝日文庫)の中に「約束」と「美しい業を見た」いう小話があります。 ストーリーは読んでのお楽しみということで割愛させていただきますがそこでのキーワードは「男の純情」と「女性の過去」です。

時々処女膜再生を求めて御来院される方がいらっしゃいますが以前、彼氏との来院で膣縮小まで御希望される方がいらっしゃいました。 不可解な組み合わせなのでなぜそのようなことを御希望されるのか尋ねると「彼に出会う前にレイプされて処女を失ったので元の体にもどりたい」とのことでした。 あまりもの痛々しさにしばし言葉を失いました。 おそらく彼も彼女も悩み苦しみぬいて御来院されたのだと思います。その時はつまるところをお互い気にする処女性が精神的なものである故、彼がすでにあなたの事を愛しているなら肉体を傷つけてまでそこまでの手術をする必要はないのではないかというお話しをしてご納得いただきましたが、その時「法医学教室の午後」の『約束』にでてくる相手にとって重過ぎる男の純愛と『美しい業を見た』にでてくる自らの肉体を傷つけてまでそれに応えようとする女の壮絶なまでの愛の話を思い出しました。

失うことにより生じる悲劇もあれば失えないことにより生じる悲劇もあります。

最近多いご相談ですか先日のご相談も「邪魔な処女膜を取ってほしい」というものでした。
結婚してすでに数年になるけどいまだ痛みのため性交渉ができないとのことです。
時々処女膜が強靭または過敏な方がいらっしゃいます。そのような方々は産婦人科で特に問題ないといわれたり、切開を加えたのだからすでに可能なはずだ、痛いなら自分で拡張訓練するようにと言われて指示に従ってもまったく症状が改善せず悩みぬいた上御来院されるケースが多いです。 
ほとんどの方が処女膜を除去してあげることで入り口付近の痛みからくる性交痛の悩みから開放されます。

切除した処女膜です(写真は患者様のご快諾を得て供覧しています)
中央部分は穴があいて膣腔と外界との交通はありますが破瓜はされていません。

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 美容外科は主に外観の容貌を整える科ですが明らかな疾病でなくてもQOL(quality of life :生活の質)の向上に寄与する外科として他科のエアポケットに取り残されている患者さんたちに寄与していくべきだと思います。

2006-10-02

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